昨年の日展は初めて出品を休んだ。
その辛さというのか、心の傷は思ったより深いものだった。
落選しても何とかして『絵描き』と名乗る以上は出品はしたいと思っていた。
いや、しなければならないと実感していた。
今回の春の日展も正直、出品できる状況には無かったのです。
昨年よりの日々の忙しさ、新しい事業のこと、絵を描くという精神的なモチベーション。
研究会にも結局、予定が詰まっており欠席。
そうですね、僕が忙しくて描けないって話すと
今から帰って描けばいいじゃんなんて、知らない人間は言いますね。
でも、ご飯にふりかけをかけるようにはいかないのです。
そんななかでも、門下の先生方から励ましのお電話を何度もいただきました。
『坂本君、頑張って描きな』。
日本画家の友人宮原君も『高山先生が悲しむよ』など、いつも励ましてくれた。
確かに、以前も出品をお休みしたいと高山先生にご相談した時も、
『坂本君、あんたは絵が描きたいんでしょ?だったら描きなさい。
僕も日展休んだことはないよ』と。
先生の作品集を眺めながら、自分の努力の足りなさに申し訳ないと涙が出ました。
12日から具合が悪く、体重も約15キロ痩せた。
一日一食すら食べられず、痛みに苦しい日々。
そんな苦しさが27日で解消された。
それからは昼夜兼行で制作に。久々にもりもり描けました。
今日2日は日春展の出品最終日。
朝まで描き、昼過ぎの新幹線で持っていく。50号の大きさまでは何とか手で搬入できる。
今回で14回目の挑戦で、10回の入選と3回の落選。
今回はとにかく搬入して出品できたことが本当にうれしかった。
確かに人間だから結果は気になるけど、清々しい気持ちだった。