About 2009年04月

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2009年04月 アーカイブ

2009年04月01日

春によせて


薔薇咲く頃  6号 紙本彩色

今日はスタッフのタカと都内に出かける。
第44回日春展が開催されます。明日が懇親会ですが、予定があるので
今日出かけることになった。
東京駅で友人の古長谷さんと待ち合わせ。
彼は元細野事務所のスタッフで、現在は話題の会社の執行役員をしている。

昼ご飯を食べながら、いろんな話をした。
場所は以前から気になっていた東京バルバリに。
食べたかった塩たれ親子丼は売り切れだったので、ほかのものを。
思ったより僕には少し味が薄い気がしたよ。

話は政治から経済から身近なものまで。
彼との話は面白い、タカも勉強になったはず。
行動力はあるし、アイデアも素晴らしい。
細野事務所に彼がいた時は本当に僕もよく動いた、動かせられたというか。
人の長所をうまく導く出して、動かすのが上手い。
彼の才能だと思うね。
一緒にいろいろまたやりたいなって感じた。

その後は日春展に。
いつもながら自分の作品の不勉強さを感じました。
また頑張りたいと思います。他の言葉はありません。

3時にはカメラマンの岐部君と銀座のカフェで待ち合わせ。
仕事の話でかなり盛り上がりました。
彼の作品は本当に空気があって、明るい希望に満ちていて気持ちが良い。
今後のお互いの展開が楽しみです。

とにかくいろんな人がいる。
そしてみな頑張っている。
その出会いも僕がやってきた人生だし、すばらしい仲間。
なんか嬉しいよね。
熱海だけは狭い狭い、熱海だけの物差しはつまんないよ。

外は気持ちの良い春らしい陽気。
何となく、良い春になる気がしたよ。

2009年04月02日

自宅での個展始まりました


今日から7日まで、自宅画室と展示室で個展を開催しております。
新作ばかりではありませんが、遊画展と題して色々な作品を展示中です。

今日も朝からマネージャーの近藤さんがお客様と。
読売新聞社や地元新聞社も取材に来てくださいました。
自宅の個展は僕らしい空気を感じてほしいとのことから始まった。
絵を描くことを仕事にしたいと決めた時から、アトリエで絵を見てほしいと思っていた。
もちろん、立派な会場での個展は素晴らしい。
有名画廊や百貨店での個展は絵描きとしては誇りだよね。
でも、いつでもお客様や友人が来てくれた時に20点くらいの作品を展示するスペースがあったらと夢見ていた。

3年前、池田万寿夫先生の自宅を熱海が展示室として公開した。
その際、一緒に見学に行った建築家の谷口先生が
『坂本君、君も6畳の一室でもいいからこういった部屋をつくるといいね』とおっしゃった。
ああ、絶対そうしたいなと思い、すぐに計画した。
夢がかなって、2年前の暮れささやかながら自宅に展示室を設けた。
1階にはコーヒーを飲んでいただけるカフェを作り、2階に画室と展示室2室をつくった。
まあ、ほんとにささやかなものなんだけど、僕の小さな夢がかなった。

是非、お気軽に遊びにいらしてください。

2009年04月03日

香を焚く

私の画室を訪れる人は『良い香りですね』と言ってくれる。
私はお客様がみえる前に必ず香を焚きます。
この習慣は、日本画を手ほどきくださった藤島先生からご教授いただいた。

『たけちゃん、お客様が見える前には玄関に水を打って、
香を焚いて、お花を飾ってお迎えしなさいね』と。

そんな習慣が身についているので、私にとっては当り前のことなんだ。
玄関先は常に清潔に、アトリエも使った後は毎日掃除します。
そして、自身のリラックスのためにも香を焚く。
今の好みは松栄堂の練香 梅が香 かな。

日本画の世界を知ってからお茶やお花も習った。
何となく、全てに共通するように思う。
絵の範疇で勉強することは誠に楽しい。
同じ年代の人間が身につけないことを多く教わった。
まだまだ未熟者ですが、80歳までにはなんとかなるのかもしれない。

今日は祖父『圓融院鶴嶺寿徳大居士』の命日。
祖父のためにも香を焚きました。


2009年04月04日

熱海で一番の繁盛店

個展はお陰さまで連日多くの皆様がお越し下さっています。
今日もマネージャーの近藤さんがお客様と一緒に来場。
書家の先生で、多くのためになるお話をいただくことができました。

終わって、絵を見学に来た後輩と食事へ出かける。
今日は熱海で一番繁盛してる店に行きました。
名前は書きませんが、串焼きの有名店です。
とにかくいつもいっぱい。
席が空けば、また埋まると・・・・とにかく凄いですよ。
もちろん、味も最高に旨いです。
私もついつい『ヒヤーうまいね!毎日でも食べたいよ』と何度も言ってしまう。
本当に旨いんだから仕方ない。

どれも旨いけど、この手羽も特製のみそだれにつけて食べると最高。

今日の一番はこのなす。熱々で最高。
あまりの旨さにやはり声を出してしまうほど。

接客も素早く、とにかく御主人の手際が良い。
これはどれをとっても繁盛する要素しかない。
べったりとしたお世辞の接客でもないし、さっぱりとした居心地が良い。

でも、まだ熱海には昔ながらの横柄な接客の店は多いですよ。
店主の知り合いだけに愛想をふりまき、一見さんはそこにいたのかとの応対。
大した腕もないのに、一流を気取る。
俺の顔で客が来てると勘違いをしてるようなお店。
現場だけが仕事だと思い込んでるような店主。

どの世界も勉強になる。

2009年04月05日

悲しみの朝

朝、僕の部屋に母が来て涙を流しながら言った。

『たけのり、Tが死んだって』・・・・。

『え!!本当に!!』

Tさんは母の同級生。
つい、10日ほど前にも僕にある資料を届けてくれた。
この時期になると、いつも僕と母を夜桜見物に伊豆高原へ車で連れていってくれた。
女性だけど、男っぽいさばさばした良い人だった。
ちょうど、3年前の夏、母が入院してた頃に彼女も大病を患って入退院していた。
その後は放射線ですっかり髪が抜け落ちていたけど、気にする様子もなく
いつも元気で笑顔を振りまいていた。
家庭の事情で家を変わったり御苦労が多かったように思う。
食事も病院も自身の体調に合わせて行けなかったに違いない。

人間って何なんだ。
人は法の上には平等とは言え、高度な先進治療は高額で
カネのないものは早く死ねというようなもんだ。
高速道路1000円なんてくだらないことで喜んでないで、
医療の充実と医療費の減額を願う!
年金も6万そこそこでどう生きろっていうの?

日本って国はまったく何やってんのかと悔しくなった。
Tさんの苦しみを思うと涙が止まらなかった。
何もできない自分が、情けない。

Tさん、ゆっくり休んでください。合掌。

2009年04月06日

出会いの素晴らしさ

昨日も今日も10時の開場前にお客様が待っていて下さった。
読売の記事を見たという方や、友人知人。
いつも本当に有難いと思います。

小沢医院の大奥様、中島水産の麗子会長、元アラビア石油の宮崎様などなど。
いつも応援下さっている皆様には本当に感謝します。

昼過ぎには伊豆長岡にお住まいというご家族が来場くださる。
僕と食についての話で盛り上がる。
あそこのこれが美味しいとか、こんな味だとか店構えとか・・・。
共通の趣味を持った方との話は心地よく、こういった偶然の出会いに感動する。

『食べる』という話はときには卑しく思われますが、非常に素晴らしい文化ですものね。
絵でも音楽でも飲食でも、最高と感じるのは同じだと思う。
喜びを感じる瞬間はおなじ自分自身だし、僕の脳みそなんだから。


夕方は忙しい中を衆議院議員の渡辺周さんが、橋本市議と来てくださる。
周さんも橋本さんも僕の展覧会は欠かさず来場してくれます。
有難いです。

熱海の市議でもいつも案内や新聞報道あっても、展覧会に来てくれる方は少ない。
川口前市長は欠かさず来てくれたように思う。
斉藤熱海市長は今のところ一度もみえたことはないね。
まあ、文化にはほとんど興味がないようですから。
興味のあるなしもあるとは思いますが、政治家には身近な芸術文化に触れてほしい。

僕もこの仕事をしていると本当に多くの出会いがある。
人って同じ時代を生きるってだけで偶然だ。
故人に会いたくてもどんなに科学が進歩してもできないし。
今、横山大観に教えをいただきたくてもできない。
人の出会いはだからいつも偶然であって必然なのかな。

今日も新しい出会いと、再会に感謝します。

2009年04月07日

最終日に

個展も今日が最終日。

絵描きらしい一週間を過ごせたように感じます。

元後楽園社長で元市議の岡さんも毎回来場下さる。
『この絵は良いよ』と街の絵を大変褒めてくださった。

画家の武井先生、金子先生もわざわざ鎌倉から。
久々に絵描き同士の話を楽しみました。
高山先生のお手伝いをさせていただいてる頃は、よく同期の智恵ちゃんと話をした。
絵描きでなくては解らない話はたくさんある。
普通の人が聞いてもなんだか?っと思うだろう。
そんな話は心棒のようなもんかもしれないな。
良い時間でした。

夕方は元第一小の後藤校長が。
先生も本当に素晴らしい方。人間としての魅力がある。
『ブデンさん、僕ね〇〇みたいなことをやろうと思ってるんだ』と、
楽しく、先生らしい企画を聞かせていただきました。
細野事務所からも山下君が来てくれた。
まあ、選挙も近いから頑張りましょうね。

多くの人との出会いがあって何とかこの12年、絵描きとして生きて来れました。
バイトもせず、絵画教室と個展の生活で生きてきた。
世間知らずと言われても、この道だけでやってこれたのは奇跡かもしれない。
多くの方の応援と支えがあっての坂本武典なんです。
本当に感謝します。

個展を終え、消灯。
ほっと溜息が出た。
今回もなんだかんだと一番大変だったのは、会期中店を休みもしないで
多くの方に応対してくれた母だった。
母をねぎらうためにクレールで食事。

感謝の言葉は照れくさくて言えませんでしたが、
金目鯛のトマトソースが代わりになったかな・・・。


2009年04月08日

青苔寺の枝垂れ桜

朝から山梨へスケッチに出かける。
Dが車で8時半に迎えに来てくれる。
なんだかんだと最近は話す機会が無かったので、行き先をしっかり告げていなかった。

『山梨まで???!!!!』とちょっと怒られましたが、
ミーティングをして予定時間を3時間過ぎて
出かけることになりました。

熱海峠から箱根を抜けて御殿場へ向かう。
晴れていて気持ちが良い。

箱根からの道、富士山が顔を出してくれました。

富士を見てると本当に癒される。

御殿場から山中湖を通り、
ちょうど2時間で山梨県上野原市の青苔寺に着きました。
山門に着くとものすごい桜!!

『良いお寺だなぁ』とD。

Dには長い時間で運転申し訳なかったけど、桜を見て疲れを癒して欲しかったのと
僕の描いた屏風を見てほしかったので。

『日月富士』の前で。3か月ぶりの再会です。

『お前さ、早く描けよ』と言われ、そうでした!今日の目的は桜のスケッチ。
さっそく描き始める。

決して大きな古木でもありませんが、僕は我が家の御縁のあるこの寺の
この桜が大好きなんだ。
今までも一度描きたいと思いながら、写生をしたいと思い早5年。
やっと願いがかないました。

描いて10分後・・・・・
『おい、もう描けたか?』とD。

・・・・・・またか。

夏にもそうでしたが、写生は10分じゃあ無理です。
写生をしてる時間は真剣ながら、いつも嬉しくて頬が緩む。
絵描きでよかったと思うのもこんな時間でしょうか。

帰りの時間もあるので、2時間弱で終了。
何とか描きたいものはできました。
この作品は8月の個展に屏風画として制作いたします。
お楽しみに。

終わって市内のとあるラーメン店で二人で食事。
水が旨いからラーメンも旨かった。

2009年04月11日

写生をすること


絵描きにとって写生をすることは大切だ。
高山先生も、高木先生も、藤島先生からも写生が一番だと
教えられてきたし、自身でも大切な日々の勉強だと思う。

高山先生がそうなさってたように、僕も小さなスケッチブックは常に携帯している。
手を動かして物を見ると、脳みそに残る。
もちろん、風景画制作の場合、写真を自身で撮って参考にすることはありますが、
少しの時間でもスケッチするのとしないのでは大違いだ。

来週は中国の杭州へ一人旅に行ってきます。
もちろん、観光ではなく写生です。
高山先生にも
『坂本君、あんた若いうちに中国の空気を吸ってらっしゃい』と言われました。
何かを感じて描いてきたいと思います。