『雲』
雲が湧きたつ
渦を巻き 白と薄墨色の中に 生を迎える
紺碧の空より 激しくも 悲しくもある 龍の流れ
真っ白な雲上を 未だ知りえぬ命の道へと 進む
『水』
小さな雨が 白くそして透明な空気の中に 降り注ぐ
一粒は やがて大きくなり 流れとなる
清らかに染まり そして苦しく淀み
一つの命となって 個と化す
『散』
白く冷たい月の光
命を終えた その固まりが ひっそりと
しかし その存在を 輝かす
何のために生まれてきたのか
何に染まっていたのか 宇宙の術中に苦しむだけだったのか
死を迎えたその散り際に 何を感じるのだろう